ミツヤオミ先生の漫画「愛の修羅」は、両親を亡くして引き取られた天上家で継母にいたぶられながらメイドとしてこき使われる女の子・あかりのドラマチックな物語です。
1巻 第1話「十字架」では、継母の絶望的な虐待に耐えながらも、貢と出会い愛を支えに生きようとする姿が描かれています。(分冊版です)
「愛の修羅」1巻「十字架」のネタバレ
母の罪を娘にぶつける継母
美しかった母によく似た少女・あかりは、両親を亡くしたあと5歳で天上家で継母の虹子の虐待により地獄の日々を送っていた。
母は愛人で、父と母亡きあと本妻の家にあかりは引き取られたのだった。
和服の澄ました顔の下に、虹子はあかりの母への憎しみを煮えたぎらせ、その娘にぶつけていたのだ。
「おまえに流れている汚い血が罪なんだよ」
あかり本人に罪などないーーだが、守ってくれるひとなどおらず、毎日あかりは継母の折檻によりきずだらけになっていた。
高梨 貢との出会い
あかりの母は芹沢ちひろという女優だった。それで時折、映画館で昔母が出演した映画を見ていた。
母の虐待でボロボロになったあかりは映画館に逃げ込み、眠り込んでしまう。
目覚めると、隣にいた男性・貢と知り合い、女優としての母が好きだったという彼に一目惚れしてしまう。
ふたりは自然に惹かれ合い、映画館で水曜日に母の映画をみる約束を交わす。
あかりは貢と会う日を楽しみに、メイドとしてどんなにこき使われ、いじめを受けても笑顔でいられるようになった。
「愛の修羅」1巻「十字架」の結末
理由もなく、突然姿を見せなくなった貢。「約束がしんどくなった」「君以上に大切な人がいる」と、去っていく。
その後、義姉・京子が婚約者を連れて屋敷にやってきた。それは・・・貢だった。
1巻の感想
シンデレラ並みに継母にいじめられ、「母親の罪」をすべて被せられて憎まれ、地獄の毎日を生きるヒロイン・あかり。
やっと心の支えになってくれる愛する男性を見つけた、と思ったのに、その人はじつは義理の姉の婚約者だった・・・という怒涛の展開。
ストーリーも波乱万丈なんですが、何と言っても継母の虹子さんの壊れっぷりや虐待のキレ具合がもはや「虹子の虐待芸」と言ってもいいくらいのレベルです。
お茶会で熱湯紅茶を頭から浴びせるのは序の口で、「汚い血」と言ってお風呂場で全身ブラシがけ虐待を行ったり、ウィリアム・テルみたいに弓矢の射的にしたりと、虐待の次元が違います。
貢の両親は小さな町工場を経営していて借金まみれで、天上家と縁組をするかわりに貢が京子と結婚・・・だから、わざと貢はあんな態度をとったわけで、意にそまぬ結婚を強いられています。
次回から、あかりにとって「本当の生き地獄」が始まります。つづく。
第2巻のネタバレ