結婚式前夜に、ふたりで手に手をとって逃げ出したあかりと貢。貢に執着する姉・京子と鬼母・虹子がそれを許すはずもなく、追っ手がかかります。
ミツヤオミ先生の漫画「愛の修羅」3巻「束の間の幸せ」は、ほんのひと時の愛の成就を楽しむあかりと貢と、虹子ママが品のいい良家の奥様の仮面を脱ぎ捨てて、凶悪な本性をあらわすお話です。
「愛の修羅」3巻「束の間の幸せ」のネタバレ
なりふり構わず追っ手を差し向ける虹子ママ
結婚式当日。あかりと貢が駆け落ちした、と判明して呆然とする天上母娘。
虹子は、完全に「キレた」。
「おまえら、わかってるんだろうな!!」
貢の両親を呼びつけ、怒鳴りつけるその姿は「良家の奥様」ではなく、「ゴッドマザー」のようだった。
青ざめる部下たちに「あいつの首を早くわたしの足元へ転がせ!」と命じ、ふたりに追っ手をかけたのだった。
夢のような『夫婦ごっこ』を始めるふたり
あかりと貢が逃れたのは、瀬戸内海の小島。
ふたりでバイトをして、ギリギリの生活だが楽しかった。
誰も自分たちを知らない、誰にも見つからない場所で、ふたりだけで生きていく。
「結婚しよう」
ふたりの「結婚式」はお花畑で、ドレスや指輪の代わりにあかりの頭には花かんむり。
貢は愛の証として、花かんむりの花で2つのキーホルダーを作ってお互いに身につけていよう、とあかりに手渡した。
「あなたを忘れない」という花言葉。
何もなくてもいい、と貢とやっと結ばれたあかりは心から幸せを感じていた。
崖へ追い詰められたあかりと貢
貢はどうしても心配になり、母親に連絡を取ってしまった。
その電話は、虹子に逆探知されており、ふたりの居場所がバレてしまう。
「今なら許してしあげるから!」
花婿に逃げられ、怒りと涙で顔を歪めた京子と、虹子たちが崖までふたりを追い詰める。
そして「あかりか、母親かどちらか選べ」と迫る京子を見て、あかりは貢を守るために自ら崖に・・・
※つづきは本編でどうぞ!
3巻の感想
今回の虹子ママは、権力と金と力を駆使する「ゴッドファーザーならぬゴッドマザー」に変貌していました。
和装のお上品ぶった奥様の口からポンポンと恐ろしい言葉の数々が飛び出し、「(あかりの)首もってこーい!!」ですからね。まさに、鬼女です。
貢はあかりへの愛を忘れておらず、ふたりだけでどこか遠くで生きていこう、とつかの間の間だけその夢を叶えます。
お金はなくても、お花畑の中でロマンチックなふたりだけの結婚式。
「家族をつくろう」と将来の夢まで描いていたふたりでしたが、運命はどこまでも意地悪で、あっという間に虹子ママたちに壊されてしまいました。
それにしても、貢の両親って地味にクズなんですよね・・・自分たちがいくら困っているからって息子を売り飛ばすようなことを平気でする人たち。
親思いの貢は両親を助けようとしたわけですが、結果として期待を裏切ってしまい、最悪の結果に。
あかりとのラブラブ生活がキラキラしていただけに、そのあと訪れる悲劇との対比が効いています。永遠の愛を誓ったはずのふたりはどうなってしまうのか。つづく。
4巻の感想