丘上あい作「ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜」3巻のネタバレ感想です。
夫と親友のふたりに裏切られていることに気づかないまま、夫の不貞を疑わない爽。
けれど、自分のバッグにGPSが仕掛けられていることがわかり、はじめて夫を疑います。
GPSを入れたのは誰なのか。3巻で犯人が判明します。
「ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜」3巻のネタバレ
結婚したら片目を閉じなさいという母の記憶
爽の母親の記憶は、あまりいいものではない。
愛情をもらった思い出もなく、結婚するときに「結婚する前は両目を開いて相手を見て、結婚したら片目を閉じなさい」という奇妙なアドバイスをくれただけ。
つまりは、都合の悪いことは見て見ぬふりをしなさい、という意味であった。
夫を信じられなくなる爽
GPSを見ながら、爽はカズが本当にこれを仕掛けたのだろうかと思い悩む。
そして「チートン」という店の名前を知らないはずのカズが口にしたことも、気になっていた。
カズから「今日は接待で遅くなる」という連絡が来ても、今までのように手放しで信じることはできない。
何もかも勘ぐってしまい、怪しく感じてくる。
学生時代の友人に相談
爽は学生時代からの友人・若菜の家を訪ねた。
シングルマザーで小学2年の娘がいる若菜に、旦那との今の状態を相談するためだった。
GPSについても、「浮気をしているから、居場所を把握するために仕込んでいるとしか思えない」と、夫がクロだと断定する若菜。
「真顔で簡単に嘘つきそうな人だなと思った」
爽に相談されたことで、若菜は自分の本心を打ち明けた。カズは優しくて完璧な夫に見えて、どこか信用ならない人間に見えていた、と。
第三者からの評価を聞いて、爽は夫のことを見て見ないふりをしてきたのかもしれない、と悩む。
夫の嘘と大喧嘩
ちゃんと話し合いたい、とカズと話し合おうとしても、「疲れた」と取り合ってもらえない。
一方通行でみじめな気持ちになる爽は、それでもカズをランチに誘うが「会議で行けない」と断られて、ついカズの会社に電話をかけてしまう。
そして、「会議」が嘘だったとわかり、爽はついにGPSのことを持ち出してカズと大喧嘩になる。
あくまでも「知らない」としらを切るカズ。
弾みでカズの腕が爽の目に当たり、カズはGPSを壊してしまう。
だが、GPSを仕掛けた本当の犯人はカズではなく・・・
3巻の感想
やっぱり、と思ったとおりにGPSはカズが犯人ではありませんでした。
アイツだよね・・・。
嘘をつきながらも、ずっと続いていた夫婦関係が少しずつ壊れていく中で、爽の中にあった母親に対するトラウマも出てきました。
外国のことわざで「結婚したら片目を閉じなさい」みたいなのがあった気がするんですが、爽の母は娘に対して「でないと自分が馬鹿を見るから」という冷たいアドバイスをしたわけです。
夫が浮気をしても、見て見ぬふりをしたほうが楽でいられる、という意味でしょうか。日本的に言えば「臭いものに蓋をする」というほうが、しっくりきます。
お金持ちでイケメンで、優しい夫・・・というのは、これまで『片目で』しか彼を見てこなかったから。
爽は初めて、夫が本当はどういう人間なのかその本性に気づき、嘘で塗り固められた夫婦生活という泥沼にハマりかけます。
裏で糸を引いて笑っているのは瑠衣・・・4巻へつづく。
4巻ネタバレ感想