爽の親友のふりをしながら、爽の夫と隠れて付き合い、さらにGPSでふたりの仲を壊そうとする瑠衣。
丘上あい作「ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜」4巻では、「不倫」に対して拒絶感を抱く爽と会社の友人との間で大きなもめごとが起こります。
「ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜」4巻のネタバレ
独身貴族の同僚と焼肉
仕事を終えた爽は、同僚で友人でもある優希と焼肉を食べに行くことにした。
「ねえ、不倫ってどう思う?」
夫の浮気の気配もあって、なんとなく話題にした爽。
優希は以前から「不倫」が大嫌いだったはずなのに、「まわりがどうこう言ったって、当事者の問題なのにうるさい」とまるでかばうような発言をして爽は驚く。
まさか・・・とカマをかけてみると、優希は職場の妻子ある男性と交際している、と白状した。
見解の相違で軽い喧嘩に
べつに相手の家庭を壊したいわけじゃない。
自分と付き合うことで、相手の男も後ろめたさから奥さんに優しくするようになったからお互いにウィンウィンだ、と勝手な理論を展開する優希。
爽は「そんなことで正当化できる話じゃないよ」と、優希が犯罪でもしているかのように詰め寄りふたりの雰囲気が悪くなる。
「爽みたいに結婚が一番の幸せって思わない女も世の中にはいるの」
自分のことを全否定してくる爽に優希は反論し、「爽、ちょっとうざいよ」とため息をついた。
賛成なんか求めていないし、とにかく絶対に他人には言わないでとだけ念を押して去っていった。
夫と仲直りした爽
爽が自宅へ戻ると、夫・カズが「昨日はほんっとごめん!」と平謝りしてきた。
会社に電話されて詮索されるのが大嫌いだから、ついカッとなったというカズは、やましいことは何もしていないから携帯を見てもいいとまで言った。
昨日会社にいなかったのは、コンペのために水面下で交渉することがあって会社にも内緒で行動していたからだ、と丁寧に説明するカズに爽はもう、彼の言葉を信じるしかできない。
説明するカズは、とても嘘をついているように見えず「片目をつぶればいい」と爽は夫のすべてを知る必要はないんだ、と自分に言い聞かせた。
優希の不倫がバレ、憎まれる爽
翌朝出社すると、会社で騒ぎが起こっていた。
何者かが「優希の決定的な不倫写真」を撮影してメーリングリストでばらまいた、というのだ。
「あんた、まじ許さないから」
優希は爽が犯人だと決めつけ、ものすごい顔でにらんでくる。
だが、爽は当然ながら身に覚えがないことで、優希と話をしようとするが優希は聞く耳もたずに別部署に異動になってしまう。
GPSをこっそり入れたのは、ひょっとして優希だったのか・・・
泣きながら夫にすがる爽は「見て見ぬふりをするのが優しさなのか」と考えていた。
この事件を友人・若菜に電話して話した爽は、「秋山慶一を見かけた」と聞いて衝撃を受ける。
彼は、爽が生まれて初めて本当に好きになった男性だった。
4巻の感想
今回、瑠衣の出番は少なかったものの、見事に暗躍して爽と友人である優希の信頼関係をぶち壊してしまいました。
GPSはすでに破壊したはずなのに、爽の行動をちゃんと把握していたということは、ほかに盗聴器でもつけていたのかな・・・
パートナーを裏切って別の人と付き合うことに嫌悪感がある爽は、優希が不倫をしていると聞いて責めましたが、たしかにちょっと「うっとうしい」かも・・・
大人が自分で決めたことに対して、無関係の人間がそれを批判する、というのもこうして読者視点から眺めてみると「余計なお世話だよなー」と思わないでもありません。
優希は爽にとって大切な友人だから、友人が道を誤らないようにという気持ちもあったのかもしれませんが、この一件で爽は友人をひとり失ってしまいました。
瑠衣は夫婦関係だけではなく、爽の人生を破壊しようとしているのだろうか、と何か根深い恨みを感じてしまいますね。
それにしても、夫・カズのクズっぷりと言ったら・・・ツラッとした顔で嘘をつける男です。
妻に嘘をつきつづけてなんの罪悪感も感じない、という精神構造にゾワッとしました。
でもラストで爽にも「初めて好きになった人」の存在が出現し、次回さらに複雑なお話になっていきそうです。つづく。
第5巻のネタバレ