行き過ぎた健康志向が『オーガニック地獄』を招いてしまう・・・
原ゆきの作 「オーガニックまみれの母性」は体にいい自然食にこだわりすぎるあまり、我が子を栄養失調に追い込んでしまうやりすぎ育児漫画です。
こちらではあらすじと感想をご案内します。
「オーガニックまみれの母性」のあらすじ・ネタバレ
行き過ぎオーガニック信仰のママ
学校の保護者会で、給食はオーガニックじゃない!と、子供に添加物のない安全な食を提供しないことに噛み付くひとりの主婦。
小向ママは小学生の息子・航の健康を守るために、カップ麺もポテチもコーラも与えていなかった。
家庭での食卓は、もちろん有機野菜に平飼いの卵、玄米にオーガニック調味料、基本はマクロビ食。
完璧なまでに「安全な食卓」だと、物足りないおかずにげっそりする夫と子供の不満を顧みずに自然食を信仰していた。
「自家製」にこだわりすぎてもはやオーガニック地獄
ある日、運動会でジャンクフードばかり食べさせるママの子供に航が負けてしまう。
もっとがんばらなくっちゃ!
と、完璧に安全な野菜を求めるために、とうとう畑から野菜づくりをはじめるが、素人仕事でヒョロヒョロ野菜ばかり。
もはや異常すぎる・・・ほとんど虐待に近い食事内容に家族みんなでやせ細っていく。
家庭崩壊!息子がとうとう限界に!!
自然食にこだわるあまりおかしくなっていく妻から心が離れていく夫。
そして、ろくな食事をさせてもらえず、お腹がすいた・・・ママ、と息子のかぼそい声が・・・・
※衝撃のラスト!あなた自身で読んでみてね!
「オーガニックまみれの母性」の感想
オーガニックって、わたしも好きで「健康にいいほうがいいよなあ」と買うこともありますけれども。
ここまで来てしまうと、本当に「異常」としか言えないレベルですよね。
無農薬無添加にこだわりすぎるあまりに、かえって子供の成長に害を与えてヒョロガリに育ってしまう、という本末転倒さ。
「一点の汚れもない、安全で安心な野菜」
を求めてしまうと、市場に出回っているものじゃものたりなくて、しまいには自分で作ってしまおうという思想に行き着くと、たしかにこれはもはや「信仰」と言っていいほどです。
このお母さんは「家族の健康と安全のため」という気持ちが強すぎて、その行き過ぎた愛情というのか、こだわりが身を滅ぼしてしまったんでしょう。
夫にはあきれられ、息子も離れて。
あと、本人がまったく反省していないのが一番おそろしい。
意外とこういうひとって、身近にいるものですし、怖い内容でした。
他、収録作のあらすじ・ネタバレ
この漫画は短編集で、ほかに以下のタイトルの漫画が収録されています。
「私ファーストな女~子供より私が優先ですがなにか?~/著:上野すばる」
子供よりもわたしが優先!と、自分がタワマン暮らしの「美魔女」と呼ばれるのが自慢な佳代子。
唯一、残念なのが娘の咲良がブスなこと。頭がいいのがとりえだから、見栄だけで娘に難関校の中学受験をさせるために塾に入れるが・・・
一言感想:人の目を気にしすぎると、自分の人生を生きられなくなる「残念な母」。
「育児の常識~ジェネレーションギャップ~/著:椎名あや」
育児に疲れる内山舞には、同じく女の子を出産したばかりの妹・亜衣がいた。「時代が違う」と何かと育児の方法でぶつかりあうふたり。
ある日、母乳にこだわりすぎて栄養不足になっていた亜衣の赤ちゃんに粉ミルクを与えようとしてトラブルが起こる。
一言感想:年代が違うと意見がだいぶへだたりがあるので辛いけど、なんだかんだハッピーエンドでよかった。
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