岩田和久作 漫画「パンドラ美容外科~生まれ変わる女たち~」は、美容整形の光と闇を描く作品です。
天才的な技術を持つ形成外科医、飛鳥望美が「美しくなりたい」さまざまな女性たちの人生に向き合います。
第1話「キツネ顔の女」は、「アゴ女」と言われるキツイ性格の女の「美しくなれば何もかも手に入る」という勘違いを正すお話です。
パンドラ美容外科~生まれ変わる女たち~第1話「キツネ顔の女」ネタバレ
ホステスのアカリは背も高く、知性もあり自分に自信があった。
けれどシャープな顔立ちと目立ちすぎるアゴで、「アゴ女」と子供のころはからかわれていた。
キツネのような顔立ち・・・仕事では自分よりも背が低く、太めの童顔のユカがなぜか客たちからモテて、自分はまったく顧みられない。
「愛され顔で癒される」
ユカはそう褒められているのに、アカリは「おまえは疲れるんだよな、なんか」と言われる始末。
自分の客までユカにとられ、なぜ、どうして!?と自問自答する。
会社員だった時代から「威圧感がある」と怖がられ、夜の世界に入っても「アゴ」のせいで誰からも愛されない。
「この醜いアゴさえ削りとれば、わたしだってもっと評価されて愛される」
思い悩んだ末に、アカリは「パンドラ美容外科」を訪れた。
形成外科医、飛鳥望美に会うと、「中身と外見が合わなくなるよ!」と言われるがとにかく変わりたい。
「じゃ、人生変わるけど、いいかな?」
問われて、アカリに迷いはなかった。
手術は250万円だったが、飛鳥の技術は素晴らしいものだった。
手術から2週間後、望んだそのものの美しいフェイスラインを手に入れ、アカリは「これからは自分に自信をもって生きていきます!」と大喜びする。
美しい完璧な顔を手に入れ、アカリは自信満々で仕事を再開した。
「美人に注がれると、嬉しいでしょ」
私は誰よりも美しい、と鼻高々だったが、逆にますます客が離れていった。
そして、ユカは相変わらず客たちから好かれている。
「私があの女に負けているのは顔だけだったはずなのに」
何かがおかしい、とイラツイているときにユカに「前の顔のときのほうが良かった」と言われて、アカリは激怒した。
「あんたなんかより、私のほうがぜんっぜん美人なのよ!あんた鏡見たことあんのっ」
周囲の人たちはその発言にあぜんとし、結局店にいられなくなり、別の店に移った。
それでも、結果は同じだった。
『あの女、勘違いしているよね』
『上から目線で生意気』
『空気読めないし』
顔さえキレイになれば、何もかも手に入るはずだったのに・・・アカリは再び、飛鳥のもとを訪れ・・・
パンドラ美容外科 第1話の感想
美容外科を訪れるのは、外見にコンプレックスがある女性たち。
このお話のアカリは「アゴ女」「キツネ顔」という悩みをもっており、「顔が美しくなれればすべてうまくいく」と思い込んでいました。
ところが実際は、問題だったのは外見ではなく内面であって、キツイ性格と言動のせいでまわりからドン引きされ、さらに空気が読めずにひんしゅくを買う、ということを繰り返していたのです。
本当の問題は顔じゃなかった、と気づいたアカリは「元の顔に戻してほしい!」と無理難題を飛鳥のもとに持ち込みますが、削ったアゴは戻るはずもなく。
それでもパンドラ美容外科の飛鳥のモットーは「希望のないオペをしない」ということ。
残された希望を胸に、アカリは再び生まれ変わったような気持ちで出直します。
この作品は、医学博士監修のもとに構成されているので、施術内容もすごく本格的に描かれています。
「美しくなりたい」という女性の永遠の願い。そこに描かれる女性たちの人生の生まれ変わりが面白いお話でした。
第2話ネタバレ