岩田和久作 漫画「パンドラ美容外科~生まれ変わる女たち~」の第3話「最後の化粧」のあらすじ・ネタバレです。
今回は、とても切ないお話。
余命いくばくもない女性が、美しかった頃の姿を命がけで取り戻し、愛する人と最後に話したい・・・というもの。
パンドラ美容外科~生まれ変わる女たち~第3話「最後の化粧」ネタバレ
貧乏画家を成功へ導いた女性
日本人として初の国際絵画グランプリに輝いた相澤春也の凱旋展示会では、彼が若き貧乏画家だったときに支えてくれた美しい女性の話をしていた。
受賞作のモデルとなったその女性は、絵画の中でその美貌を永遠にとどめていた。
「先生にとって、最も大切な女性がこのモデルだったんですね」
「でも、その女性はある日突然、僕の前から姿を消してしまったんです」
今の自分が成功しているのは彼女のおかげ。
それ以来、あちこちを探したものの二度と会えない・・・
その話を聞いて、会場の中にいた見るからに醜く太った女性は涙を流しながら出ていった。
12年前のわたしに戻してほしい
その女性・夏川ゆりは、パンドラ美容外科を訪れていた。
「この写真と同じにしてほしい?」
それはあの絵画の女性であり、ゆりは太ってしまったものの、同一人物であったのだ。
ダイエットすればいいじゃない、という飛鳥に「時間がない」というゆり。
聞くと、ゆりはガンで余命3ヶ月だという。
末期ガンで治る見込みもなく、ターミナルケアに入っている。
もう時間がないからこそ、美容整形に頼るしかないというのだった。
人生の最後の望み
飛鳥はそんな寿命を縮めるようなオペはお断りだ、と追い返そうとしたが、ゆりは自分の気持ちを語りだした。
両親はすでに他界し、仕事もやめてひとりぼっち。
キレイになって命がある間に、どうしても会いたいひとがいる。
結婚を約束したある男性は売れない画家で、いつかパリで結婚して暮らそうと夢見ていた。
けれどお腹に子供がいるとわかり、知らせようとして途中で事故にあってしまう。
お腹の子を失い、1ヶ月意識不明で目覚めたあとも障害が残ってリハビリ生活になり、このままでは彼の足手まといになると連絡を絶ってしまったのだった。
「彼はきっとわたしが裏切ったと思ったでしょう」
それだけが、唯一の心残りであり、もう一度美しかったあの頃の姿に戻って彼に詫びたい。
たとえどんな苦痛に耐えることになり、寿命が縮んでもゆりは最後の望みを叶えたかった。
地獄のような苦痛に耐え、美しい姿に戻るゆり
短期間で無理な手術をしたため、ゆりはほっそりと痩せたものの地獄のような苦しみを味わった。
何度も意識不明になり、そのたびに飛鳥が「あなたは生まれ変われる!生きなさい!!」と励まし意識を取り戻した。
命がけのオペを乗り越え、ゆりはとうとう「一番美しかった頃の姿」を取り戻した。
そして、ゆりは願いが叶って美しい自分になって彼に会いに行き・・・
パンドラ美容外科 第3話の感想
このお話が、3話の中で一番哀しくて切ない物語でした。
彼が貧しく有名でもないころから支え続け、本当に愛し合っていたふたりだったのに、事故のせいで赤ちゃんもなくし、ゆりはどん底に。
彼のことをずっと想いながら生き続け、せめて人生の最後の時間は「美しいままの自分」を彼に見てもらいたい。
女性だったら、この気持ち、すごくわかりますよね。
好きなひとには、一番綺麗な自分を覚えていてもらいたい。
たとえ、彼がべつの人と結婚して家庭を築いていても、醜く太った自分を見て幻滅されたくないですもんね。
女性たちの「美しくなりたい」という望みを叶える形成外科医、飛鳥望美は、黒子役として出てきますが時折、彼女自身の人生にも何か隠された辛い過去(水族館のクラゲを見てひとり泣いたり、何か過去の映像を思い出している様子)があります。
1話完結方式でストーリーが進んでいますが、2巻以降も期待ですね。
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