屍牙姫(漫画)第一話「少年」ネタバレ感想 佐藤洋寿
佐藤洋寿 作。漫画「屍牙姫」は、妖艶で美しい女ヴァンパイア・美輪子の下僕にさせられてしまった高校生たちのお話です。
彼女は女王様、そして人間たちの命を握る絶対的な強者。
自ら「使い魔」になりたがる少年・橘壮一と、なりゆきから無理やり下僕になってしまった広田修の苦悩と葛藤の日々。
屍牙姫第一話「少年」のあらすじ
いじめられっ子少年・橘壮一
見るからにひ弱そうな少年・橘壮一はクラスメイトからいじめを受け、自宅はゴミ屋敷で母親はいないも同然の存在であった。
どこにも居場所がないはずの彼が、夕闇のころに若い男性を大きな洋館へ導いていた。
「本当にこの薄気味悪い館にいるのぉ?」
男の目当ては、壮一が説明した「タダ」の美しい女性だった。
「ご心配なく。美輪子さんがお待ちです」
男が洋館の窓辺に立つ、美しい女性を見て息を呑んだ。
いじめっ子を美輪子のもとへ
学校でいつものようにいじめっ子から「イジメ免除料を払え」と脅された壮一は、彼を美輪子のもとへ案内することにした。
この館にお姉さんみたいなキレイな人がひとりで住んでいたなんて・・・
しかもご好意で、僕と、えっと・・・
瀟洒な洋館の一室に招かれ、長い黒髪に顎にホクロがあるキレイな女性を見て、いじめっ子は舞い上がっていた。
「そう焦らないの。これだから若い男は・・・フフ」
生きのいいボランティア
美輪子は妖艶な微笑みを浮かべながら、体調のせいでほとんど外出したことがないと話し、「生きのいいボランティア」に向き合った。
いじめっ子は美輪子から漂う香りでクラクラしており、目の前の美しさに夢見心地になっていた。
「サンキューな、橘。これで来週のイジメ免除料はチャラにしてーー」
そう言い終わる前に、彼の心臓は美輪子の手でもぎとられてしまう。
壮一にとってすでに見慣れた風景なのか、目の前で起こった惨劇に微動だにしない。
ドクドク、と波打つ熱い心臓を美輪子は壮一に手渡すと、ジュース絞り器でギュッと絞り出した血を美輪子の喉に流し込んだ。
「若い男の子の新鮮な血はいい」
壮一は、美輪子のために自ら「心臓の配達」を請け負っていたのだった。
使い魔になりたい
壮一の願いは、美輪子の「使い魔」にしてもらうことだった。
美輪子の役に立ちたい、と壮一は訴えかけるが「使い魔になるということは、今の日常をすべて失うということだから」と簡単にOKしてくれない。
「僕には美輪子さんしかいません」
普通の人間には失いたくないものがひとつはあるでしょう、という彼女に対して、壮一の答えは美輪子だった。
長生きしたくないという広田修
壮一は毎朝、近くの学校の生徒・広田修と彼女が登校する姿を見ていた。
仲が良さそうなふたり・・・
修に恨みがあるわけではなかったが、自分と違って「失いたくないもの」がある彼に嫉妬していたのかもしれない。
「見せたいものがあるんだ」
と修を洋館へ連れていき、美輪子と引き合わせたところ、修は帰ろうとして・・・
屍牙姫第一話「少年」の感想
洋館に棲む美しい女吸血鬼に魅入られてしまった少年たち。
修は「俺、長生きしたくないし」と言っていましたが、若い頃ってこういうこと言っちゃいがちですよね。
実際はガールフレンドもいて、ペアブレスレットをするくらい仲がよく、そこそこリア充だったわけですが。
壮一に目をつけられてしまったせいで、女吸血鬼に関わってしまいます。
いじめられっ子で、ゴミ屋敷に住むデブ母しかいない壮一にとっては、美しすぎる美輪子しか生きがいがない状態。
たとえ彼女がモンスターでも、しもべとなって仕えたいという強い執着心で自分から「使い魔」希望をだします。
絵が綺麗なので、化物と言っても美輪子の美しさに見とれてしまいました。
屍牙姫 第2話ネタバレ