真田魔里子先生が新たに描く、ショッキングなダンボール少女!
漫画「新・ダンボールで育った少女」は、女学生がトイレで産んでしまった赤ちゃんを「ダンボール詰め」にして「闇サイト」経由で宅配便で送ってしまう、という衝撃の展開です。
赤子が送られた先で待っていたのは、さらなる地獄。
無数の新生児がホルマリン漬けにされた小部屋で「レイセンがくる!」
マッドサイエンティスト・冷泉のもとで「158番」と呼ばれるようになった少女は過酷な運命をたどり・・・
こちらでは第1巻のネタバレと感想をご案内します。
「新・ダンボールで育った少女」のあらすじ
せりかはトイレで赤子を出産したあと、「産み捨て闇サイト」が指示するとおりにダンボールに「ソレ」を詰めて、コンビニから宅配便で送った。
荷物は大学病院宛に送られ、冷泉あぐりという女研究者が引き取りに来た。
地味な独身で、見るからに堅物な婚期を逃した女・・・周囲にはそう映っていた。
だが、冷泉の本当の顔は「闇サイト」の運営主であり、せりかのように産み捨てする女たちから「新生児」の体を集めるマッドサイエンティストだった。
これらの「新生児」を原料として「おくすり」を作り、海外で巨額の富が生み出される違法な取り引きに手を染めていた。
ダンボールから出てきた息のある赤子に「158番ちゃん」と名づけ、育てることにした冷泉。
それは愛情あってのことではなく、ダンボールの中で育てられやがて成長した少女は言葉も覚えず、栄養失調で髪も抜け、ボロボロに・・・
前作よりスケールの大きい闇展開に!
前作をご存知の方なら、ダンボールで育てられた虐待児・サラという少女が保護された先の養護施設で愛情のある先生の助けで少しずつ心と体の回復をしていく希望のあるお話でしたから、今回も心あたたまるお話を期待されていたかもしれません。
しかし、今度のお話は恐ろしい人身売買の犯罪者集団の手先である女マッドサイエンティストのもとへダンボールで送られてしまった少女の物語です。
「悪い子だと、おくすりの材料にされる」と、冷泉に逆らえば命がない恐怖と緊迫の中でひとり、少女は生き抜きます。
一旦は逃げ出したはずの少女でしたがラストで冷泉からと思われる脅迫メッセージが届き、さらに怪しい雲行きに。
「レイセンが――レイセンが!」と怯える「158番ちゃん」もとい、救出後のネームは「青山希」ですが、助けられたあとの養護施設でも出っ歯の性格が悪いドブス職員・倉橋に「これで有名になれる」と利用され、どこに行っても味方がいません。
今のところ、なんの光もない闇ばかりの状況。
第2巻での少女の運命がどうなってしまうのか、続きが待たれます。
「新・ダンボールで育った少女」の感想
ホルマリン漬けの小瓶が並ぶあの部屋は不気味で、ゾワ〜っとしました。
理科の実験室で並んでいそうなアレです。
冷泉自身の生い立ちも、親に虐待されていたからと言って、「158番ちゃん」にあんなことをしてしまう言い訳にはなりませんよね。
愛のない虐待ばかりの日々で育ったために、自らもまた愛のない大人になり、人としてくるってしまった冷泉。
「158番ちゃん」を生かしたのはほんの気まぐれだったのかもしれませんが、それが冷泉自身の運命も大きく揺るがしてしまう結果になりました。
「現代版・悪魔のいけにえ」恐ろしい魔女、として「悪魔のゆりかご」を作り続けた冷泉に鉄槌がくだったかに見えましたが、こんなことで終わるほど弱くないですよね。
自称・癒し系ブスの倉橋と言い、この漫画に出てくる悪人たちの個性的なこと。
誰かひとりくらい、少女の味方になってくれる大人が出てきてほしいです。
これでもか、これでもか、というほどに地獄を味わわされ、人間の醜さを見せつけられてしまった「158番ちゃん」の心に光が差す日はやってくるのか・・・次巻もぜひ読みたいです。
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